ジャワ・第16軍政監部布告第一号

大東亜戦争インドネシア -日本の軍政-」、加藤裕、朱鳥社、2002

軍政施行に関する件 1942年3月7日

 第一条 大日本軍は同族同祖たる東印度民衆の福祉増進を図ると共に大東亜共同防衛の原則に準拠し現地住民との共同共存を確保せんことを期し差当り東印度の治安を確立し民衆をして速やかに安居楽業せしめんが為に東印度占領地内に軍政を施行す
 第二条 大日本軍司令官は総督の職権を行使す
 第三条 占領地における在来の行政諸機関、その職域権限及諸法令の規定は軍政施行のため特に障害たらざる限り差当り引続き有効とす
 第四条 官民は大日本軍及大日本官憲の命令を遵守すべし
 大日本軍は忠誠なる官吏の職権並に良民の生命及正当なる財産並に在来の宗教はこれを尊重す
 官民は大日本軍を信頼し速やかに本業に復すべし
 但し大日本軍及大日本官憲の命令に違反し或は治安を害し或は我軍の行動を妨害し或は在留邦人に危害を加え或は敵軍に款を通ずる者並に濫りに財政経済を攪乱し或は財産資材を隠匿し或は資源及諸施設を破壊する者等在らば直ちに之を軍律に照らし厳重に処断すべし
 第五条 占領地における通貨は盾貨及盾表示軍票とす
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