日中戦争での中国軍の死傷者数

日中戦争での中国側死傷者数については、中国側発表をことさら貶める右翼が多い。特に薄弱な根拠で捏造だと決め付けるネトウヨ軍事ヲタクの中にも数多くいて、醜いレイシズムをネット上でばら撒いている。

日中戦争の一方の当事者であった蒋介石は自著で以下のように述べている。

 この八年間の抗日戦でわが国が動員した兵力は一千四百万、そのうち戦死傷は三百二十万、軍事費は法幣一兆四千六百四十三億元に上ったが、これは一般人民の生命、財産の損失を含んでいない。

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この320万という数字は、誰かの妄想・はてな版に記載されている臼井勝美の「日中戦争」からの引用とも一致する。

まず、一般人レベルで手軽に入手できる資料のうち、最も詳しく書かれているのは、臼井勝美の「新版日中戦争」(2000年、旧版は1967年)だと思う。

P208-209に書かれている内容をまとめると以下のようになる。

国民党関連1947年5月21日

(東三省、台湾、解放区の死傷者を含まず)

-       国民党軍  民間人
戦死者(死亡) 132万8501人 439万7504人
戦傷(負傷)  176万9299人 473万9065人
失踪      13万0126人 -  
死傷者計    322万7926人 913万6569人
病死      42万2479人 -  
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20090922/1253581089

*1:「中国の中のソ連 蒋介石回顧録」蒋介石著、毎日新聞外信部訳、昭和32年、P98