満州事変開始以後の上海での排日侮日行動

第一次上海事変以前に上海の日本人居留民が中国人から迫害を受けていたという主張がある。
以下は外務省の記録である。

期間       暴行迫害侮辱件数 被害者数(内女性) 学生被害者
9月18日〜10月18日 198件 287人(48人) 394人
10月19日〜11月18日 149件 217人 153人

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資料には、11月18日までの記録しかない。また、暴行迫害侮辱を一まとめにしてあるため内訳も不明である。
暴行と侮辱では迫害の程度も異なるが、負傷などのデータがないことを考えるとほとんどは侮辱・罵言程度であったろう。この時期、日本軍は満州全域を占領し中国全土で反日感情が高まっていた。
もし今、中国軍が九州を占領し自衛隊と交戦中であるとしたら、東京や大阪の在日中国人らがどのような境遇に置かれるかを想像すれば、当時日本人居留民の被害がこの程度ですんだのはまだマシだったと言えるかもしれない。

*1:アジア歴史資料センター外務省記録「2.上海/1 昭和6年10月から昭和7年3月」レファレンスコード B02030234100