第一次上海事変における損害(追記)

中国側

中国民間人の損害については、中国政府発表の公式報告、中国軍の損害については第19路軍司令官・蔡廷鍇による報告による*1。ただし、1934年時点の情報に基づく。

  分類   死者 負傷者 行方不明
第19路軍・第5軍 将校    214   677      891
同上       下士官兵  4060   9153       13213
同上       計     4274   9830       14104
民間人      -      8080 2240 10400 20720
軍民合計     -      12354 12070 10400 34824

この他に、81万4000人以上が直接被害を受け、男女24万人が家や財産を失い、30万人あまりが失業し、その2割は食うや食わずの状態になったとエドガー・スノーは記録している。

また、民間人被害については、児島譲の「日中戦争2」では、死者10475人、行方不明者5432人とされ、上海人民出版社編の「上海700年」では、死者6000人余、行方不明者10000人余とされている。

日本側

日本軍司令部の発表による*2。ただし、1934年時点の情報に基づく。また、エドガー・スノーによると、「その日に正式発表された日本軍の死傷者よりもほぼ二倍くらいの数を実際に目撃した」とある。

     戦死 合計
日本陸海軍 385 2628

この日本軍の損害も現在では、戦死769人、負傷2322人、合計3091人とされており*3エドガー・スノーの指摘が正確であったことを裏付けている。

     戦死 負傷 合計
日本陸軍  620 1622 2242
日本海軍  149 700 849
日本陸海軍 769 2322 3091

追記・中国側損害

満州事変」臼井勝美に基づき追記。

  死者 負傷者 行方不明
第19路軍 2422   6343    131 8896
第5軍   1664   3141    625 5430
合計    4086 9484 756 14326

「淞滬禦日血戦大画史」「革命文献」第36巻をベースとしているとのこと。

*1:「極東戦線」エドガー・スノー、筑摩叢書、1987/12/20初版、P182-183

*2:「極東戦線」エドガー・スノー、筑摩叢書、1987/12/20初版、P183

*3:満州事変」臼井勝美、中公新書、1993/7/10第11版、P195(参謀本部編「満州事変史」第一巻から作成)